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ガンガン歩こう-Tramping とは何か
このブログの最初の記事で、「地元山岳会の、藪こぎ登山グループに属する形で、山を楽しんでいる」と書いたが、実は、これは100%正確な表現ではない。

正確には、「地元 Tramping Clubの、藪こぎ Tramping グループに属する形でやまを楽しんでいる。」と言うべきだった。



日本語で登山というと、山歩き、沢登り、縦走、藪こぎから、岩、氷、雪山、スキー登山とすべて含まれ、非常に範囲が広い言葉である。反面、登山という言葉に、平地を長距離歩くことは含まれない。

それに対して、Tramp というのは、NZ・オーストラリア独特の用語で、おおもとの原義は「ドシンドシンと歩くこと」だが、実際には、岩、氷をのぞく、日本語の『登山』活動のすべてに、平地を長距離歩くことを加えた、二本の脚で行うアウトドア活動のすべてを指す。(ちなみに、岩・氷を中心とした本格的登山は、Mountaineering と呼ばれる。それでは、岩・雪もある高山を横断したり、縦走することは何と呼ぶかというと、自分が、Mountaineer だと思っている人は、Alpine Traverse と言うし、Tramper だと思う人は、Trans-alpine Tramping と言うだろう。ちなみに、岩・氷を主に垂直方向に進むことは、もちろん Climbing と言う。)

英米では、ハイキング・トレッキングといった語が使われるのだろうが、これらは、すでにちゃんとした道があるところを進んでいくという感じがあるのに対して、Tramping というと、「道があろうが無かろうが、ガンガン行くのだ」という、冒険的というか無鉄砲と言うか、ちょっと硬派な感覚がある。NZに関して言えば、イギリスからの入植者が100年ちょっと前に、測量、砂金探しのため山に入り始めたときは、もちろん道は全くなく、急斜面をよじ登り、密林をかきわけての大冒険だったわけで、トランピングと言う言葉には、その歴史が反映されていると言えるかもしれない。

by mimi_s_mum | 2005-11-21 14:12 | 中つ国山民俗学




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