山岳展望写真の秘密兵器?それとも頭痛の種?
長時間あえぎあえぎ、急な尾根ルートを登り、やっと稜線に出たら、素晴らしい展望風景が待っていた!また、山に来て本当に良かった、実感する瞬間だ。そんなとき、その素晴らしい景色を他の人に見せたい、と、つい写真の数も増えがちなものだ。一枚の写真ではとても捕らえきれない広大な眺めを前にすると、どうしても良いパノラマ写真が欲しくなる。デジタル時代の今、パノラマ合成処理ソフトを抜きにしては、山岳展望写真は語れない。(いつもながら口調の偉そうな私)

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パノラマ合成処理ソフト、Huginを使い始めたのは、1月の初めで、「王の連嶺 追補編」用の、パノラマ写真合成に一部利用した。使い方を覚えるまでにかなり時間がかかり、試行錯誤を重ねた。

基本的には、合成したいもとの画像を読み込み、中心視点と仰角・俯角等の角度を設定し、対照点を設定する。対照点自動設定機能もあるが、それだけではまず足りないので、手動で補わなければならない。下の例を見ていただければ分るが、これにはかなりの時間と手間がかかる。

e0056912_13142895.jpg 自動のみ

e0056912_1315289.jpg 手作業で追加後


思い通りの対照点設定が終わったら、適正化計算を行う。『中心画像から、ただ繋げる』から始めて、+『縦、横、深さの偏差角度を計算に入れ繋げる』+『レンズ歪修正をして繋げる』+『視野調整をして繋げる』など、段階を追って、Huginが計算し、プレビュー画面に出来上がり予想を示していってくれる。

e0056912_1344983.jpg問題なのは、このプレビューがうまく働かなかったり、画面が小さすぎて、微妙な違いが良く見えなかったりすることがあることだ。うまく行ったつもりで、次の段階の合成処理を終え、できた画像を確認せずに終了してしまってから、失敗に気付いた事が何度となくある。例を見ていただきたい。こうなっていたのに気付かず、Huginを終了させてしまったため、初めから、対照点の手動設定も含めて、全部やり直さなければならなかった。

出力された合成写真を一度見て確認してから、終了していいか、修正して計算・出力をやり直すか、判断するべきなのだ。(一時期、一回合成写真を出力してしまうと、そのあとはエラーとなってやり直しが効かない、という、ひどい状態のときもあったが、これはWindowsの問題であったらしく、最近のアップデート後は直っている。)

e0056912_1352929.jpg修正方法は、中心視点を設定しなおす、垂直・水平を示す対照点を付け加える、などを試みるが、人工物があり、直線の多い市街地の写真ならともかく、自然100%の山岳写真で、正確な仰俯角や垂直・水平を示せといわれても無理がある。(草の茎から無理に垂直線をとったこともあるが)例の山小屋の写真の場合は、幸いにも小屋の構造から垂直・水平線の設定が出来たので、やり直し後の出来はまあまあだった。(煙突が傾いているように見えるのは、気のせい?)

特に難しかったのは、谷あいから稜線を見上げる形でとった場合で、次の例を見ていただきたい。違いは中心視点だけなのだが、これだけの違いが出る。(下を採用)

e0056912_136967.jpg

e0056912_1310174.jpg


出来上がりの不確実さ以外、Huginの問題点としては、出力ファイルの大きさ(非圧縮TIFFのみ)・画像数が多くなると画素処理(特に色)がおかしくなる、などがある。画素処理問題は、PTStitcherという合成機能コンポーネントでのみ見られ、もう一つの合成コンポーネントnonaを使えば問題ない。少ない画像数なら、画像間の露出・色合いのバラつき修正は、PTStitcherのほうが優れている。

1月半ば、牧牛稜縦走から帰宅し、写真をダウンロードしたはいいが、そのうち、稜線上からの展望写真等100枚近くがパノラマ合成を必要としていた。それでも2~3枚パノラマ合成してみたが、どうも出来が気に入らず、やり直さなければと思うとげんなりして、2か月ほど全く手をつけなかった。そのあとも、一枚作っては、出来が気に入らずに数回やり直し、結局放り出す、ということを繰り返して今月にいたった。ようやく先が見えてきたので、やっと今週になって、山行記録を書き始め、仕事が暇なのを良いことに、(本当はよくない!)残りのパノラマ処理も一気に済ませてしまうことが出来た。厄払いが出来たような気分、というのも、ちょっとおかしいかもしれないが、外れてはいないと思う。

パノラマ合成処理ソフト。確かに、うまく使えば非常に便利な秘密兵器なのだが、かかる手間ひま時間を考えると、実際は頭痛の種だった、ともいえるかもしれない。

(英語版を早く作れ、とKさんからプレッシャーがかかってきているので、牧牛稜縦走3日目以降の山行報告は、ちょっとお待ちください。)
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by mimi_s_mum | 2006-06-16 13:38 | 中つ国名所案内




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