長い脚
 ニュージーランド人は短パンが好きである。特に外で働く人たちにとっては、短パンが制服のようなものだ。大工さん、牧場の人たち、(外ではないけど)バス・汽車の運転手さん、郵便配達のお兄さん・お姉さん、皆ほとんど一年中短パンで、長い脚を見せびらかして歩いている。短パンをはかないと暑くてしょうがないようだ。
 登山も勿論短パンでする。夏だけではく、ほとんど1年中短パン姿で山に登る。冬の寒いとき、ひどい棘だらけのヤブを一日中かかって通り抜けなけねばならないとわかっているときなど、ポリプロピレンの股引スタイルのタイツのようなもの(long-johnsと呼ばれる)を、短パンの下に履くことはあるが、100%短パンで通す硬派も少なくない。
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[6月(日本で言えば12月)始め、タラルア山系にて。気温6~7度だったと思う。]




 短パンの効用は、激しい運動をしても暑くなりすぎないこと、足を高く上げて大きい段差を登るときに妨げにならないこと、渡渉のあとで、長ズボンだと濡れて重くなり、乾くのにも時間がかかるから短パンのほうがいい、ということが言える。特に、NZは、登山道開発の歴史が浅く、川に橋が架かってないことが多いため、渡渉という場面が多いので、この3番目の理由は大きいようだ。(渡渉は登山靴をはいたままでするのが一般的だが、これについては、またの機会に)
 さて、登山には短パンなら何でもいい、というわけには、もしろん行かない。素材は、丈夫で、軽くて、防風性に優れていて、いくらか撥水性があり、濡れきってしまったときは速乾性がある、というのがいい。デザインも、脚の動きを妨げない、長時間の行動でも股ずれを起こさない、適度に通風性がある、などなど、注文は多いのだ。地元の登山用具メーカー(日本でも有名なmacpac, Fairydown, EarthSeaSkyなどが大手)は、それぞれが、究極の登山用短パンを作り出すのに努力を重ねているようだが、ラグビーが宗教のNZだけに、短パンはラグビー用のに限る、と言い切る人もいる。
 聞くところによると、いつも短パンというのは、世界でも、NZ独特の登山スタイルのようで、「他の国では短パンで登山はしない」という意識は、NZの登山者たちもあるようだ。とはいえ、彼らが海外で登山するときに長ズボンに変えるかというと、そうでもないようなのだが、日本では、マムシやササダニ・山ビルなどがいるので、短パンで登山、特にヤブこぎには問題があるだろう。
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by mimi_s_mum | 2005-08-25 16:30 | 中つ国山民俗学




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